【とんび】
今回は、第10話が最終回になります。
放送は、30分の延長のワイド版、90分になっています。
荷物の下敷きになる市川安男(内野聖陽)の場面からのはじまりですね。
この場面は、旭を助けようとした美佐子(常盤貴子)が亡くなってしまう場面の再現を、
今回は、天ヶ崎通運同僚の葛原の嫁(橋本真実)が孫を連れて 天ヶ崎通運に遊びに来る。
そこで、孫が荷物の下敷きになるところを安男が助けるんですが、
美佐子と同じであれば、ほんと回顧録で終わってしまうところでしたね。
病院のベッドでピンピンしている安男なんです^^
おもしろいのがこの後の場面から続きます。
入院時に受けた検査の結果が、なぜだか?再検査の通知を受けてしまいます。
そうすると、どうでしょう。
安男は、不治の病にでもかかっているのかと言う程の心配ようなんです。
退院して、たえ子(麻生祐未)のところに行った時には、自分はもう長くはないと思い、
通帳のある場所などをたえ子に告げます。
たえ子は、そんな安男の姿がおかしくってたまりません!
そして、再検査の結果は、全く問題なしなんですね。
勝手にもう長くないんじゃないかと思っていた安男は、拍子抜けというか、元気を取り戻します。
安男が働いている天ヶ崎通運は、早期退職者を希望する張り紙が貼られる状況で、
安男は、東京勤務を命じられます。
ここから場面は、東京に移っていくのですが、安男のめんどくさい性格を考え、
安男を東京に呼んだ、萩本常務(高橋和也)は、事前に旭(佐藤健)と連絡を取り、
旭の家に泊まれるように仕組むんですね。
何も知らない安男は、銀座でタクシーを降ろされてしまう。
そこに、偶然を装って由美(吹石一恵)が現れます。
そして自宅に招かれるというシナリオなんです。
どうでもいいけど、離れて暮らす息子の住んでいる所に来ているのだから、
ちゃんと連絡を入れて、泊まりに行けばいいんですが、ただでは修まらないんですね。
そんなめんどくさい性格の安男も東京転勤を決めるんです。
たえ子のお店で開かれた送別会では、珍しくしんみりとした飲み会になってしまいます。
生まれてからずっと住んでいた町。そして安男を取り巻く仲間達のこと想う安男です。
ここで一番さみしい想いになったのは、ねえちゃんことたえ子ですね。
本当の弟のように世話をしていたんですからね。
そして、東京で旭と一緒に暮らしをはじめるんですが、安男の性格です。東京暮らしが合いません。
東京に来てからの安男は、今までのような元気がありません。
ある日、勝手に決めてしまうんです。
会社を辞めて故郷に帰る事を。
旭には、なんか良く解らない論理なんですが、親だから遠くで笑っていなければならない。
故郷の人達の事が心配だし、親だから親でいた。って言う事なんです。
安男の優しさが、ちょっと現れる場面が故郷に帰ったところでありました。
安男は、会社を辞めたんですが、その時萩本常務に推薦をしたのが、リストラが決まっていた、
後輩の葛原(音尾琢真)なんですよ。
運送会社の安全と言うものが染みついている人間として薦めてようです。
それから安男は、たえ子のお店を手伝うようになります。
やっぱり、故郷で仲間に囲まれているのが、一番楽しそうなんですね。
そんなある日の事です。
由美の息子・健介(黒澤宏貴)が居なくなってしまいます。
旭と由美の間に子供が生まれて、健介の事をかまってくれる人がいなくなったと寂しい想いから、
安男のところに来てしまいます。
この時のシチュエーションがおもしろいですね。
旭が安男のいるゆうなぎに健介が居なくなった事を報告しますが、まさかこっちに来るなんて、
子供1人では考えられないんですけど、そこはドラマですね。
安男が、お店の外に出てみると、そこに健介がいるんですよね。
今回の見処であり、最後の場面になります。
東京から健介を迎えに来る、旭と由美。
場面は、旭が小さい時に母親がいなくて寂しがった時にみんなで温めてあげた浜辺です。
旭は、健介に近寄ると頬っぺたを殴ります。それは、安男が旭を殴ったように。
そして、力一杯、抱きしめてあげるんです。
健介にも旭の気持ちが伝わった瞬間ですね。
クライマックスは、安男がはじめて旭に親らしく説いて聞かせます。
親がしなければならない事は、『子供を寂しがらせてはいけない』ってことを教えます。
安男が、亡くなった海雲和尚(柄本明 )の教えの通りにしたがって、親になれた瞬間でしたね。
旭も、今までで一度も不幸だと思った事はない、普通にずっと暖かかったから。
だから、親父は、俺の海なんだと思う。という包み込んでくれる優しさを与えていたんですね。
最後は、回顧録も混じり美佐子も登場します。
身寄りのなかった、安男と美佐子は、家族が増える事に、喜びを感じるのでした。
愛と感動をもらえたドラマでした。
TBS系列の日曜ドラマは、いい作品が多いですね。
現代のキーワードの一つである等身大って事が、よりこの作品を身近に感じられる存在にしていた
のではないかと思います。
また、次の作品も期待したいところですね^^